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ムコ多糖症 : 飼い主が知っておきたい骨関節疾患

 

「ライソゾーム蓄積病」の一種である骨関節疾患についてです。

寝転がる猫
今回は、猫の骨関節疾患、「ムコ多糖症」について見ていきます。

ムコ多糖症

「ムコ多糖症」は、遺伝子異常によって発症する遺伝性疾患です。

「ムコ多糖症」の原因・症状

「ムコ多糖症」は「ライソゾーム蓄積病」の一種で、先天的な遺伝子異常によって「ムコ多糖」を分解する遺伝子が欠損していることで、細胞内に「ムコ多糖」が蓄積し、軟骨、角膜などに異常が生じる病気です。
「ライソゾーム蓄積病」(リソソーム蓄積病)は、細胞内にある小器官の一つである「ライソゾーム」における酵素が欠損していることにより、分解され老廃物として体内から排出されるべき物質が体内に蓄積してしまい異常が起きる、先天代謝異常疾患の総称です。
「ムコ多糖症」は人間においても存在し、難病指定されています。
猫における「ムコ多糖症」の発生頻度は、非常に少ないと言われていますが、「シャム」と雑種における発生が報告されており、一度発症してしまうと治療が困難であると言われています。
「ムコ多糖症」は他の「ライソゾーム蓄積病」とは異なり神経症状はほとんど現れませんが、病態が進行した結果椎骨の圧迫骨折が生じた場合は、不全麻痺や全麻痺が起こることもあります。
「ムコ多糖症」の猫は、成長初期からいろいろな骨格奇形が確認されます。
全身における骨格が十分に成長できず、鼻は低くてのっぺりと平坦、耳は小さく平らといった特徴が顔に現れます。
また股関節や膝関節の脱臼や関節の骨破壊像、角膜の混濁といった症状が現れます。
発症後の完治は難しい病気ではありますが、早めに動物病院で診てもらい、アドバイスや治療を行うことが大切です。
診断は、視診や血液検査、X線検査、尿検査などで行います。
「ムコ多糖症」の特徴である鼻が低くて平坦であったり、耳介が小さいといった特徴的な顔貌や全身骨格における成長不良、角膜の混濁などを視診によって確認します。
血液検査では血球における異常、単純X線検査では股関節の脱臼、関節における骨破壊像、椎骨における圧迫骨折などを確認します。
また、秒検査では、「ムコ多糖症」であると多量の「ムコ多糖」が検出されるでしょう。
人間における「ムコ多糖症」である場合は、骨髄移植や酵素補充療法、遺伝子治療などの治療が行われますが、猫においてはかなりの高額になるということもあり、現実的には困難であると思われます。

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